グループホーム運営理念
「みんな違ってみんないい。すべての入居者さんの違いを認め、
心に寄り添い、自立を支援するための最高の居場所となる」
私たちの役割は、軽度の障がいを持つ入居者さんの生活面における自立のサポートをすることです。
障がいを持つ方々は、それぞれ様々な個性を持っていたり、違う環境で生まれ育ってきました。
アドラー心理学では、「人は自分がここにいて良いのだ」という絶対的に安心できる居場所があることで心のバランスを取り戻すことができ、本来の力を出すことができると述べています。
私たちのグループホームでは、「入居者さんの最高の居場所になる。」をとても大切にしています。
居場所になるというのは、シンプルな言葉ですがシンプルなだけに奥深い考え方です。
たとえば、入居者さんがやりたくないことを何でもやってあげることは、入居者さんは喜ぶかもしれませんが、居場所づくりとは違います。
居場所作りのために1番意識しなくてはならないのは「仲間である」「能力がある」という二つの要素です。
嫌なことを何でも代わりにしたり、何とかして無理にやらせようとすることも、その入居者さんの「能力がある」ことを認めていないことにつながり、最高の居場所づくりとは違うことになるのです。
そのため、次の行動指針を日々意識して入居者さんにとって最高の居場所となり、生活面から自立への最大のサポートをするべくスタッフ全員で創意工夫をしております。
<わたしたちの行動指針11箇条>
【1.みんな違ってみんないいを心がけよう】
すべての人は個性も才能も、そして苦手なところも違います。それは障がい者も健常者も。
この、人は絶望的に違い、持っている辞書が違うという前提を意識することが、入居者さんへの支援の始まりになります。
日本人は普通を求めます。ですから、普通でないとそこからはみ出た子は生きづらくなってしまい、また批判を浴び続けてしまい生きづらくなるのです。
私たちは、すべての人(入居者さんもスタッフさんも)がみんな違うということ、『得意なこと』『苦手なこと』『うれしいこと』『嫌なこと』『興味があること』を日々、意識しましょう。
そして、その個性という天から与えられたギフトを開花するサポートを積極的に行っていきましょう。
【2.勇気づけを行い、勇気くじきをしない】
勇気づけとは、入居者さんやスタッフ同士でお互いの居場所を創ること。
居場所を創るためには、
・あなたは仲間である。
・あなたは能力があり、できる存在である。
というメッセ―ジをおくり続けることが重要です。
たとえば、「何でできないの!」「何でこんなことするの!」というメッセージはどうでしょうか?
「仲間である」→管理する側と管理される側という縦の関係は仲間という関係ではありません。横の関係が「仲間である」状態です。
「能力がある。」→どんな方にも、行動には必ず、私的論理があります。仲間であるという視点で、その行動の良さを見つけることができると、見え方が変わり、コミュニケーションが変わります。
また、能力がない存在とレッテルを貼らず、能力がある存在だとみることで、当然、自己肯定感があがり、前向きに生きる勇気がわきます。
相手の能力、自分の能力を信じましょう。
仲間であり、能力がある存在だという心構えでコミュニケーションをとることで、勇気づけができ、仲間でなく、能力がない存在だという心構えでコミュニケーションをとることは勇気くじきをしていることになります。
【3.横の関係になろう】
教える人・教わる人 やってあげる人・やってもらう人 世話する人・世話される人という関係は、「仲間の関係」でも「能力がある存在だと認める関係」でもありません。
共に学ぶ。共に成長する。共に協力する。というように縦ではなく、横に寄り添っている関係。それが横の関係です。
引っ張ってあげる存在ではなく、横に並び一緒に目標や課題を見つめ、一緒に取り組む存在。そんな関係をすることが本物の居場所作りへ貢献してくれますし、当然自立を促すことができるのです。
これは、スタッフ同士も同じです。「誰かがやってくれる。」ではなく、自分がやるということから横の関係は始まります。自分に何が貢献できるだろう。
日々、考えてみてください。
【4.ルールを守ろう】
グループホームにおいて、運営上行うべきルールやチェックリストがあります。
慣れてくると、ルールやチェックリストは頭に入っている。
だいたい出来ているし問題がない。というように、ルールが形骸化されることがあります。
そして、たまたまたった1つチェックすべきところをしなかったことで、問題が起こり、大問題になることも。(食中毒やケガ、盗難、いじめ等)
これは、ルールやチェックリストを全スタッフが守っていれば、起こらなかったことばかり。こんな問題をあなたは責任を取ることできますか?
ルールを守り、チェックリストをしっかり書くことはあなたやホームをこんなトラブル守るために最大限考えられたものです。
必ず、守るようにしてください。
【5.3Kを大事にする(関心・感謝・共感)】
入居者さんやスタッフの仲間が何かをしてくれた時、ぜひ、関心・感謝・共感
という3Kを大事にして、感じてみるようにしましょう。
- プラスの関心を持ち、それぞれの価値に気づくこと。
- 伝わる感謝をすること。伝わらない感謝は感謝していないのと同じです。
- 相手の私的論理や意図を積極的に感じ、共感し、Iメッセージで伝えること。
人は、関心・感謝・共感を受けたことは、うれしくなり、もっとがんばりたいと思います。
逆に、がんばったのに、関心・感謝・共感が受けられなかったことは、もうやらないでいいやと思ってしまうものです。
ぜひ、3Kを日々、意識してみてください。
【6.笑顔・挨拶・清潔の徹底】
人は、気持ちが良い空間に居場所を感じることができます。
そのためには、笑顔がたくさん溢れており、挨拶が気持ちよく、清潔な場所であることで
感じることができるようです。
1.笑顔・挨拶
相手の目を見て、笑顔で、元気に、名前をそえて挨拶します。
自分の笑顔とあいさつで相手の笑顔のスイッチを入れることを心がけてください。
2.きれいなグループホーム
入居者さんの安心は清潔感から。少しでも汚れていたら率先して清掃しましょう。
3.きれいな身だしなみ
スタッフの身だしなみも入居者さんから見られています。
身だしなみは心の現れでもあります。大事にしましょう。
4.使ったら元の場所に戻すことを徹底
私たちは、働く時間は違いますが、チームで入居者さんの生活を見守っています。使っているものがいつものところにない!ということがあると次のスタッフが探せず困ることも。逆に、自分の仕事の時も探せないとストレスですよね。
入居者さんだけでなく、すべてのスタッフのことも配慮してサポートしていきましょう。
【7.不満を提案にかえる。】
不満は何も生み出さず、人の否定(勇気くじき)になります。
しかし、良くするための提案はグループホームをより良くするものになります。
不満は、何の意味ももたらしません。不満を提案に変えて、例えばこんなことをしたらどうでしょう!とどんどん提案しましょう。
グループホームでは、良い提案は積極的に採用したいと思います。
【8.相手本位のコミュニケーションを考える。】
全ての人が異なる個性を持ち、異なる辞書を持つことがコミュニケーションの前提になります。
「なんで、あの人は伝えているのにやらないの!」という会話をよく耳にしますが、
それはただ個性の違いからくるものかもしれません。
相手が喜んで行動するためには、「コミュニケーションの仕方」を意識する必要があります。
コミュニケーションは、「目、耳、体」という3点で伝えれば必ず伝わると言われています。
・目・・・紙に図や絵で書いて伝える。
・耳・・・言葉でわかりやすく伝える。
・体・・・やってみせ、やらせて見せて体で覚えてもらう。
です。
また、モチベ―ションがわく、伝え方とモチベーションがわかない伝え方があります。
こういうことも意識しながら、相手と同じ目線に立ち目を見て、安心を与えて話しかける癖をつけてください。
【9.何事も期限が大事。期限を決める癖をつける癖をつける】
これをやります。これをやってください。と期限なく、伝えても
日常の仕事で手一杯。実現することは、ほとんどありません。
「この書類作ってもらうことできるかな?」「がんばります。」
おそらく、実現しないとわかりますよね。
実現するためには、●●日までにやる。もしくは●●日までにお願いしたいのですが、大丈夫ですか?と必ず期限をつけるようにしてください。
【10.理念や行動指針に基づく自己判断をする】
理念にこだわり、ルールは守る。ただし、それ以外の手段は自由。
大切なのは、入居者さんの居場所を創り、自立へ向けたサポートをすることです。
上司の指示を受けなくても、わからなくても、人として大事なことを胸を張って行動してください。
入居者さんの生活面の自立に向け、理念に即した「手段」を一人一人が考え、
考えたこと、やったことは報連相(ホウレンソウ)を、行い、話し合いつつブラッシュアップしていきましょう。
【11.入居者さんの最高の居場所になるために】
私たちの考え方や行動の当たり前のレベルを上げていきましょう。
広島で一番、入居者さんを考えたグループホームへ。
そして、日本で一番、入居者さんを考えたグループホームへ。
理想を大きく描けば描くほど、貢献できる幅は広がっていきます。
その理想のグループホームに近づけるために1つ1つ工夫をし続けましょう。
理想のグループホームを描いても、すぐに全部できるわけではありません。
そこに向けて「初めの一歩は何か?」を考え、一つ一つ、協力しながら実現していきましょう。
モデルとなるようなグループホームが全国のどこかにあることでしょう。
インターネットや本、口コミなどでもみつけることができるかもしれません。
大変なことを求めたりはしていません。
楽しみながら、一緒に成長し、幸せなグループホームを作れたら嬉しく思います。
<職場環境改善の取組について>
①雇用管理改善のための管理者に対する研修等の実施
②5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備
③ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の福祉・介護職員の気づきを踏まえた勤務環境や支援内容 の改善
入居者さんに関わるスタッフ全員が適性な支援ができるよう職場環境を改善してまいります。